宮城県防犯設備士協会は、防犯設備をとおして「安全・安心なまちづくり」に貢献します。

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防犯対策の基本

1.犯罪者心理

警察関係者がプロファイリングした結果、犯罪者が心理的に嫌うものは次の4つに特定できることがわかっています。そしてこの特徴を利用して防犯対策を行うことが通例となっています。

 犯罪企図者は犯行の前に下見をします。人通りが多く人目が気になる、近所付き合いが活発なコミュニティで外部からの不審者の存在に気付きやすいと思われる、侵入場所が周囲からの見通しが良い、身を隠す場所が少ない等々、犯行が露見しやすいと犯罪企図者が判断する環境の地域・場所では犯行を諦めます。
 防犯カメラは犯罪企図者が嫌う『人の目』に代わる『機械の目』、録画機は『克明な記憶』として導入が進んでいます。

 犯罪企図者は音を嫌う。物品を取ろうとしたとき、侵入しようとしたとき、ブザーやサイレンが鳴れば、露見を恐れて逃走します。
 機器としては、警報機能付き侵入検知センサー・防犯ブザー(携帯用含む)等があります。

 明るい照明の下では、犯罪企図者は全身を人目にさらしていると感じ、犯行をためらったり、諦めたりします。
 十分な明るさを確保する照明設備の設置が有効です。

時間

 犯罪企図者は犯行を手早く済ませたいという意識を持っています。狙った家が防犯ガラス、強固な鍵等で守られ、侵入に時間がかかるようであれば、露見を恐れて犯行をあきらめます。

犯罪防止のための防犯設備機器

音・光 時間
防犯カメラ、録画機能付き広角テレビホン 赤外線センサー付サイレン、LED防犯灯、警報ベル、サイレン付人感ライト CP鍵、防犯ガラス

2.防犯環境設計

防犯環境設計とは、欧米において犯罪の発生と社会学的及び都市工学的要素との関連性を研究する中で形づくられた理論です。日本では建物の防犯に適用され、「対象物の強化」「監視性の確保」「接近の制御」「領域性の確保」の4原則としてまとめられています。

1.対象物の強化

『建物もしくは建物部品(ドア・サッシ等)を強化して建物への侵入を防ぐこと』

 地域セキュリティ創出においても、住宅、事務所、店舗等個々の建物を強化する必要があります。建物では主に開口部の建物部品であるドア、サッシ等を強化します。ドア扉はバールでこじ開けられない構造のものに、ドアの錠前はピッキングやサムターンに抗するものに、窓は防犯ガラスの採用・防犯フィルムの貼付で強化します。開口部とは台所、風呂場の換気窓も含みます。意外にこのような狭い開口部からの侵入窃盗が多いです。
 地域全体を防犯対策の対象物とみなした場合、防犯カメラ・照明などの機器の設置、防犯パトロール活動等が有効な対策となります。

2.監視性の確保

『街路や窓、出入り口等からの見通しを確保し、住民の目が自然に届くような環境をつくること』

 監視性の確保は、具体的には、生垣や樹木の剪定によって見通しを良くし、住民の目が届き難いところへは防犯カメラを設置する等、犯罪企図者が人の目を意識するような環境にすることです。住宅はプライバシーを維持するために周囲を生垣や塀で囲みがちですが、住宅所有者の安全を考えると、ある程度の外部からの見通しを確保したいです。公園等のパブリックスペースでは、見通しがきかないトイレやベンチの落書き、たばこやゴミの投げ捨て等、荒れた雰囲気になっていることがあります。定期的な樹木等の手入れは勿論、ベンチやトイレの位置を見通しの良い場所に変えることも考える必要があります。

3.接近の制御

『心理的障壁や物理的障壁を用いて、犯罪企図者が建物に接近するのを妨げること』

 具体的な例では、住宅街における「こども110番の家」や「○○自治会第○班」等の看板は地域の目を暗示させ、犯罪企図者へは何らかの心理障壁となると言われています。また立ち入り禁止の路上コーンや駐車場入り口の鉄鎖、ポール等も障壁とみなせます。物理的な障壁としてはマンションのオートロックシステムや学校入り口の鉄扉等があります。
 地域住民には気が付き難いが、看板・掲示物等による侵入させないという意思表示は、効果の大小あれ、外部からの犯罪企図者には接近を制御する手段となります。

4.領域性の確保

『住宅やその周辺の維持管理状態を改善したり、住民相互の活動や交流を促して、部外者が侵入したり、滞留しにくい雰囲気をつくること』

 安全・安心な暮らしの実現には、刑法犯の発生場所からも明らかなように、個々の建物の防犯対策のみならず地域全体の防犯対策の向上にも努める必要があります。既設の防犯灯・街路灯だけでは照度が足りない住宅地の道路では、各戸の門灯や玄関灯による照度の補完、見通しを良くするための植栽の剪定、隣地からの侵入を阻止する境界線への警報機の設置等々、地域住民全体が協力しての対策です。こうした物理的な対策と同時に、近隣の居住者が互いに協力し、付き合いが活発なコミュニティを形成するソフト面での対応が重要です。コミュニティの形成にあたっては、近隣の居住者間はもとより周辺地域の住民とも連携・協力して取り組むことが必要です。豊かなコミュニティは犯罪を未然に防ぐのみならず、日常的なトラブルの回避や共同住宅の改修工事の円満な実施等にも有効となるでしょう。また、バリアフリー化、登下校時の学童見守り、整備の行き届いた清潔な公園等、共用空間を含む地域全体の快適な居住環境の整備を図ることは、住民が地域に愛着を持ち住民同士の付き合いを深め、より豊かなコミュニティの創出に繋がるものになるでしょう。

 まちの保全が治安にどうつながるか、判りやすい例として「割れ窓理論」があります。
 イギリスのある街の路上に、自動車を放置し、数日見守っても何も起こりませんでした。そこで研究者は自動車の窓を割りました。すると翌日以降、タイヤやワイパーは持ち去られ、窓はさらに割られ、あっという間にスクラップになってしまいました。所有・管理するものがいないと「割れ窓」ひとつが全体の崩壊を招くとした研究です。

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